春に思うこと


「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、本当に暖かい春めいた日が続きます。

もうこうなると、「さて今年の桜はどうするか…」と、そわそわした気分になります。

日本全国、桜の名所は数々あれど…。
東京ならば、やはり千鳥ヶ淵でしょうか?
最近千鳥ヶ淵の桜の老木は、痛みが激しいらしく、随分少なくなっているように思いますが、それでもお濠になだれ落ちるような、満開の桜は圧巻の光景です。

大阪ならば、桜の宮が有名ですが、
ちょっと足を京都方面に伸ばすと、「背割りの桜」があります。
木津川と淀川の合流地点の堤の桜並木は、もう恐ろしいほど美しい!
言葉を失うほどの桜のトンネルが、延々続きます。
ああ、行きたいなあ。
もう一度、あの桜を見たいなあ…。

すぐそばの男山には、石清水八幡宮があります。
桜に酔いしれたあとに、心を静めて参拝するのも魅力的な春のイベントなのですよね。

桜に限らず、植物がいっせいに芽吹き、花咲く季節がやってきます。
「春」の語源は「張る」です。
「冬」の間に静かに増殖した命が、命の根を張るのです。
「増ゆ」→「張る」これが太古から続く日本人の精神なのですよね。
(これは語呂合わせではありませんよ。ホントの話です)

春は命が輝きます。
輝きが強い分、その影もまた色濃くなるもの。
生者が輝く分、また死も間近に迫ります。
それが、美しくも恐ろしい、桜に象徴的に表れるように思われます。

満開の桜には、「死・狂・乱」という言葉を連想させるものがありますが、
これは桜という植物にあるのではなく、それを見る人間の精神にあるのです。
古代から続く日本人の感性・精神性でしょう。

春になると、生きることと死ぬことの様々を考えてしまいます。




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